荒木 学さん
いわき市 産業・港湾振興課 職員
いわきの自生花で地域創生
今年度より、いわき市産業・港湾振興課で働く市職員の荒木学さん。その荒木さんのプレゼンテーマは「いわきの自生花で地域創生」。農産物や観光地以外の新たな地域資源を発掘することで、首都圏からの観光客を獲得したいというものです。いわき市内に人知れず咲いている花に目を向け、観光資源として大事に育てていけば、必ずやいわきの財産になる。そんな思いが語られました。
震災時、農業振興課に配属されていた荒木さん。放射性物質の測定や安心安全への取り組みを可視化させる「いわき見える課プロジェクト」に携わるなど、いわきの農産物や観光の振興、そして情報発信の最前線で活躍してきました。しかし、その荒木さんをもってしても、「今後の地域創世でいわきは厳しい都市間競争に晒されることになる」と危機感を感じていらっしゃるそう。
例えば、東京から電車でおよそ2時間という意味では、いわき市と金沢市は客を取り合うライバル関係にあります。そうした激しい都市間競争に勝ち抜くためには、一過性ではない、文化の本質に迫ったものをいわき市全体のシンボルとして育て、観光資源として通用するレベルまで磨き上げなければいけません。そこで荒木さんが白羽の矢を立てたのが「自生花」でした。
いわき市は花が自生する南限と北限の境界線にあり、さまざまな花が咲くのだといいます。例えばクマガイソウ、イチゲ、カタクリ、ニリンソウなど。しかし、花があるのは知っていても、果たしてどのような事業を展開するのがふさわしいかまでは考えが及ばないそう。そこで、今回ハマコンでプレゼンすることで参加者と一緒に今後の事業展開やアイデアを探ろうというわけです。
多くの観客にとって、「いわきにさまざまな花が咲いている」ことは初耳のことでした。しかし、まだ「知られていない」からこそ、これから膨らんでいく余白も大きいというものです。ブレスト参加者からも「まずはどこにあるのか実際に見てみたい」、「花が咲く風景を映像に撮って発信してみては?」、「インターネットに専門ページを作ってみては?」など、具体的なアイデアが出たようです。
なかでも荒木さんが感心していたのが「タイムラプス」で花が咲く瞬間を撮影するというアイデア。「そもそもタイムラプスという手法すら知らなかったので、そういうアイデアが出てきただけでもハマコンに参加してよかった」と手応えを感じて頂けたようです。実際に花を探しに行くツアーをやってみようなどという声も上がるなど、今後の膨らみが大きく期待できるブレストになりました。
あとで「ツアーをやるなら行ってみたい人」と会場に質問したところ、たくさんの人から「行ってみたい」と声が上がりました。いわきの新たな地域資源発掘の第一歩が、早速ハマコンから始まる予感がします。今は花の種のように小さなアイデアかもしれませんが、水と土、そして太陽の光によって芽を出し、大きく花開いていくかもしれません。大事に育てていければと思います!
Leave a Reply