2017年9月の浜魂(ハマコン)は、復興・創生インターンシップとの連携浜魂。市内の4つの企業・団体にインターンしてきた学生たちが、インターン事業の成果を発表し、さらに、それぞれのプロジェクトに関するブレストテーマを受け入れ先の担当者が発表するという、いつもとはちょっと違う形態で行われました。
プレゼンでは、学生らしい大胆な意見や、逆に学生らしからぬ緻密な調査結果などが次々と飛び出し、いわきの大人たちも大盛り上がり。インターン生たちが「ソトモノ・ワカモノ」の視点を注入してくれたおかげで、議論が活性化されたハマコンとなりました。さて、どのようなプレゼン&ブレストだったのか、当日の模様を振り返っていきます。
街を舞台にした体験型イベント「逃走中!」を実現せよ!
株式会社ドリームラボ×小池大吾さん、小日向俊紀さん
1組目は、いわき市平で英語やプログラミングを学べる学童サービスを提供する株式会社ドリームラボにインターンした島根大学の小池大吾さんと、立教大学の小日向俊紀さんの2人によるプレゼンです。ドリームラボ代表の小川さんから「遊びながら英語を学べる『逃走中』の企画を立案から関わって欲しい」と提案された2人。限られたエリアのなかでハンターから逃げ回る新感覚の鬼ごっこ「逃走中」を英語と結びつけた企画を任されました。
告げられたノルマは、参加者20名以上で、なおかつ10名以上をドリームラボ未利用者とすること。そしてイベントの顧客満足度を80%以上にすること。2人は集客方法からイベントの企画と実施、その後のリサーチまでを担当しました。結果は、午前の部、午後の部ともに集客ノルマを達成し、外部からの来客もかなりあったそうです。ハンターのクオリティも高く、子どもたちも盛り上がったとのことで、中身の「質」の意味でも大成功だったようです。
ドリームラボの小川さんからは、2人への労いの言葉のあと、「今後継続して未利用者に訴えていくにはどうすればよいか考えたい」とブレストテーマが発表されました。ドリームラボ独自で展開する「英語とプログラミング」という2つの軸をどのように伝えていけばいわきのママたちに伝わるのか。最終的には「子どもが英語をペラペラ話す様子を親御さんたちに見せたい」ということで、親子プログラムの拡充というアイデアが採用されました。
若者向けスポーツ・マーケティングを実現せよ
株式会社ヘレナ・インターナショナル×吉田恭子さん、西上萌衣さん、小南洋史さん
2組目は、(株)ヘレナ・インターナショナルにインターンして「若者向けスポーツ・マーケティングを実現せよ」というミッションを進めてきた吉田さん、西上さん、小南さんの3人。若年層のゴルファーを開拓してゴルフ場に呼び込む企画を立案しました。まず彼らが取り組んだのがアンケート調査。その結果、全国の若い世代(10代~40代)の約4割がゴルフを経験しているのに対し、いわき市の場合はなんと10%と低い水準だったといいます。
しかし一方で「機会があったらやってみたい」と答える人も多く、アピール次第では若い世代の動員も可能ではないかと考えた彼ら。そこで取り組んだのが「野外上映会」と「ゴルフ体験」でした。実際にインターン生をゴルフ場に連れてきて映画上映会を開催したところ、かなり好評だったとのこと。さらに、ゴルフ体験を浸透させるため、市内のゴルフ場へ営業をかけ、コースデビュー応援プランのコラボ企画を実際に行うことになったそうです。
専務の高橋さんも、「イベントだけではなく提携先を発掘できたのは大きい」とお褒めの言葉。一方で、様々な局面でツメの甘さを感じたのも事実とのこと。そこで、①練習場との連携プログラム、②野外映画上映会の具体的なアイデアを集めたいとプレゼンしました。最終的には、自主制作の映画の上映会や、天体観測イベントと組み合わせた上映会など複数のアイデアが出されました。また、ベビーステップとして、20代のお客を連れてきてくれた人に割引サービスを実施することに。動きが速い!
古民家アウトドア施設”HASH村”企業研修新規事業立ち上げプロジェクト
有限会社クルーズプランニング×畔柳あかりさん
3組目は有限会社クルーズプランニングで「古民家アウトドア施設 “HASH村” 企業研修新規事業立ち上げプロジェクト」に取り組んだ畔柳あかりさん。HASH村とは、小玉ダムのさらに奥にある体験型研修施設。非日常を味わえる野外研修施設で、さまざまな体験やゲームを通じ、チームワークや組織力を高めることを目的としています。畔柳さんは、既存のゲームにない独自性を作るため、自社スタッフにアンケート調査。「目隠しルート隊」というゲームを試験的に実施し高い満足度を得るなど、少しずつ実績をあげていきました。
さらに、サービスを利用するであろう企業の経営者にアンケート調査をしたり、利用者向けのFAQを作成するなど、次々にミッションをクリア。これには社長の橋場さんもニンマリ。期待以上の働きをしてくれたと、取り組みを高く評価していました。一方、入り口からHASH村に至る「2キロの林道」の利活用アイデアについてはまだ答えが見つかっておらず、今回のハマコンでアイデアを考えたいとプレゼンしました。
ブレストの結果、2キロの間に、お昼ご飯の具材を探す宝探しゲームの要素を取り入れるというアイデアを採用しました。謎を解きながら入村することでワクワク感が高まりそうです。橋場社長によると、「もし宝物が見つからなければ、そのチームの昼食は白飯と味噌汁だけにする」とのこと。これなら宝探しに参加する人も増えそうです。さらに、2キロの林道をセグウェイ特区にするという案も。早速「いわき市や警察の担当の話を詰めたい」とベビーステップへの思いを語ってくれました。
福島県いわき市の新たな観光戦略の第一歩をお任せします!
いわき観光まちづくりビューロー×阪本健吾さん、小田島元輝さん、勝田倖庸さん
4組目。一般社団法人いわき観光まちづくりビューローで「福島県いわき市の新たな観光戦略の第一歩をお任せします!」というプロジェクトにあたってきた3人の大学生による報告です。まず3人が取り組んだのがアンケート調査。その結果、彼らはいわきの観光政策に反旗を翻すような「脱ハワイ」というビジョンを打ち立てました。ハワイのコンテンツに頼りきってしまったため、そのほかの魅力ある観光資源を活かしきれていないと3人は訴えます。
そこで3人が考えたのが脱ハワイ計画。例えばフラおじさんを引退させる、フラダンスとじゃんがらを競わせるなど、学生らしいアイデアで会場を沸かせました。さらに、白水阿弥陀堂をフィーチャーした「内郷ビックバン」計画や、フタバスズキリュウを活かしたプランなど独自の計画も発表。観光ビューローの担当者、鹿崎さんも「脱ハワイ」という言葉のインパクトの強さには強い好感を示していらっしゃいました。
そのうえで、脱ハワイに賛同するのか、あるいはハワイをもっと推し進めたほうがいいのか、ハワイ路線にももっと他のやり方があるのではないかなど、学生たちのプランに関係するアイデアを集めたいとプレゼンしました。その結果、「脱ハワイの言葉の強さは活かしたい」ということで、キャッチコピーとして「脱ハワイ?」を残したうえでフラおじさんの引退式や、再就職といったかたちで、この展開を盛り上げたいと抱負を語ってくれました。脱ハワイ。どうなるか!
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